上陸許可を受けて日本に在留している外国人には、「在留期限」というものがあります(永住者を除きます。なお、在留資格「外交」「公用」は、在留期限が「公務終了まで」などとされているので、ここでは除外します)。
1,現在「留学」で在留している人が、企業に就職し、一定の条件をそろえた上で在留資格「人文知識・国際業務」への変更申請をしようとしている、と仮定します。この場合、申請後に「留学」の在留期限が来てしまったらどうなるでしょうか。
たとえば、
日本の大学卒業 3月25日
在留資格変更申請 3月26日
「留学」在留期限 3月31日
のような場合、「3月31日を過ぎても大丈夫でしょうか?」という相談を受けたとしたら、どのように回答するでしょうか。
「3月31日を過ぎても、日本に滞在して申請の結果を待っている分には、ただちにオーバーステイとはならない」という取り扱いがされています。
ぼく自身は、この点、「留学」の在留期間内に、正しく変更申請をしており、結果を待つ状態であるため、というように理解しています。
ただし、3月31日を過ぎて、許可が出る前に出国してしまったら、再入国はできません。「大学に通うために在留資格『留学』の許可を受けている」という状態でもないですし、「人文知識・国際業務」の許可を受けている状態でもないためです。
2,それでは、「留学」の在留期限(3月31日)を過ぎて不許可になった場合にはどうなるでしょうか。
虚偽申請が疑われる場合を除き、許可条件が足りないために不許可になったような場合には、不許可になった時点でただちにオーバーステイになるという取り扱いはされていません。
不許可になった場合には、申請人(外国人)が入管に行き、不許可理由を聞きます。そして、不許可という結果が出た以上は留学の在留期限(3月31日)を過ぎて滞在しているという事実につき、裏付けがなくなってしまうので、通常「出国準備期間」としての「特定活動」が付されます。
この「特定活動」は、文字通り「出国のための活動」を指定されて許可された、という意味で、3月31日を越えて出国準備まで必要であろうと思われる期間、たとえば6月10日に不許可になったらおおむね7月31日までの、(3月31日から数えて)4か月を付されることになるでしょう。
3年くらい前までは、出国準備として「短期滞在」でつなげていましたが、90日プラス90日の場合など、出国準備にしては長くなる場合もあったからでしょうか、現在では特定活動で「2か月」とか「4か月」とかを付される取り扱いになっています。
この設例の場合では、出国準備期間に出国し、あらためて「在留資格認定証明書交付申請」をすることになろうかと思われます。